NACS-J自然観察指導員講習会・大分

16-8-28

 日本自然保護協会(NACS-J)の指導員の養成講座は年10数回日本各地で開催される。今年は大分でも開かれた。で、弾みで野外指導実習の講師として参加する事になってしまった。

 5月の総会で「今年は講習会があるので講師として手伝ってください。」という呼びかけが代表のI氏からあった。声をかけられたN嬢が謙遜して「講師なんてとても、受付ならできます。」というと「受付は若くてきれいな人がするのです。」とI氏。あわやセクハラ発言と思っていると、その場にいたほとんどの女性が「受付をします。」と手をあげた。手を挙げるのが遅れてしまったというか、当日予定が無かったので講師となった。

 講習会は2泊3日で行われ、講習の仕上げとして、ミニ観察会を実際に行う。その指導とコメントが私の仕事だ。私の受け持ったグループは若い男女3人と中年の男女2人の5人グループだ。一人ずつリーダー役で観察会を行う。残りの4人は参加者の役。持ち時間は一人5分前後。

 真新しい指導員の腕章を手にして野外に出る。14年前のドキドキした自分を思い出す。

みんな上がってる様子もなく、たんたんと進めていく。すごいな~と見ている。

 若いO君の観察会は小学校5年生相手という設定。「土壌生物について」の話が始まった。とたんに中年二人組みの参加者役が「どじょうは土の中にはいないよね~。」「川にいるんだもんね~。」とやりだした。5年生役になりきっているというか、完全にO君は押されている。「お話ばっかりでツマンナイ。」「ここは暑い。」と続く。とても初めて会ったとは思えないコンビネーション。すごくいいツッコミだと思うがO君は当惑顔。それでも最後まで「土壌」の話を続けた。5年生相手だもん、「地面の中」と言えばよかったね。

 このあと、アリの行列をモチーフに使おうとしてたら、下見の時にいた行列が無くなったなどのハプニングもあったけど和気藹々と5人のミニ観察会を終える事ができた。後でたずねたら、皆さん、すごくドキドキしたとのこと。奥様ににらまれるより怖かったというリアルな感想ももらった。

 講師の反省会では、総じて若い人の方が元気がないということが話題になった。代表のI氏が「歩留まり、歩留まり、、。」と念仏のように言っている。指導員の資格を取った人が実際に活動してくれるかどうかのことだ。私が担当した5人が活動開始してくれるといいな。

東大分小学校での観察会再び

16-7-29

 今年も東大分小学校の3年生と自然観察会を行う。何年も同じ小学校で観察会をやっているとその学校のカラーが見えてくるから面白い。東大分小学校は元気印の小学生が勢ぞろい。はたして今年の3年生も元気いっぱい。・・・話を聞いてくれるかな。

 まずは葉っぱの匂いから。どくだみの匂いをかいで見る。「ウエッ、変なにおい!」「薬になる草だよ」というと不思議そうな顔。ミツバもかいでみて、かじってみる。カタバミやらヤマイモの葉っぱやら食べられるものはなんでもかじってみる。誰かがヘビイチゴの実を見つけてくる。「毒だ、毒だ。」と大騒ぎ。「毒じゃないよ。食べられるよ。」と話しても聞いてはいない。担任の先生が「食べた事あるよ。」と一言いうと「エーッ」と静かになる。おそるおそるかじって見る子がいる。「やっぱり、おいしくないよ。」

 男の子たち4~5人が手に手にタシロランの花を持って走ってやってくる。めずらしいものを見つけたと大得意。それは絶滅危惧種の植物だ。先日の下見で子どもたちには紹介しないでおこうと話していたもの。貴重な植物だという話を相棒の大原さんにしてもらう。先生には絶滅危惧種だと話す。「取る前に教えなさいって言ったでしょう。」と先生のちょっと大きい声がでる。めずらしい植物では意味が分からなかった子どもたちも「レッドカード」というとサッカー用語から分かってくれた様子。「これってヤバイ?」次からはなんでも植物をちぎる前にレッドカードかどうか聞いてくれるようになった。3年生はかわいいな。

 アリジゴクの巣穴をみんなで見る。初めて見たという子もいる。虫に詳しい佐藤くんが説明をしてくれる。必ずクラスに一人はいる虫博士の佐藤くんと虫の話をする。アリジゴクの成虫のウスバカゲロウ(薄羽蜉蝣)を「ウスバカ・ゲロウ」というジョークは通じなかった。下郎なんて知らないよね。

 後日、感想文が送られてきた。ササブネとイヌマキの葉でつくった手裏剣が人気のようだった。「ドクダミは子どもはまずいというと思います。」ともあった。一人だけレッドカードについて書いている子がいてくれてうれしい思いと満足感でいっぱいになった。

 さあ、返事を書こう。

海岸植物群落調査研修会

16-7-20

 海岸の自然環境・生物多様性保全のための基礎データを得るために全国的に海岸植物群落調査が始まった。大分の自然観察指導員のメンバーは手分けして大分県下の海岸線の調査に取り組む。とはいえみんなが海岸植物に詳しいわけではないので、調査のための研修会が開催されることになった。南海部郡米水津村(まかべぐん、よのうずむら)役場に集合して現地に向かう。先頭をモミジマークのSセンセの軽自動車が走る。もうここらは宮崎との県境に近い。

 浜辺の空き地に車を止めて、まずは植物の名前から。ハマユウと思っていたら正しくはハマオモトだった。ハマゴウ・ハマボウフウ・ハマエンドウ・ハマヒルガオ・ハマナデシコ・ハマウド・ハマボッス、、、。頭にハマが付いている植物名が多い。なんでもハマをつけたらいいのかといいかげんなことを考える。なにしろ暑い。砂浜は木陰もない。

 砂丘に1m四方を囲い、その中の植物の種類と面積の占める割合を測定する。例えばその囲いの中の半分近くがハマヒルガオであればハマヒルガオ50となる。三割近くがコウボウムギであればコウボウムギ30、のこりがハマエンドウであればハマエンドウ20、何本かしか生えてないものは+の表記。数人で組んで調査しているので割合について意見が合わないことがある。コウボウムギは30ではなくて25など。そんなときは声の大きい人の意見に合わせた。なにしろ暑くて、ボーっとする。暑さに強い人が必ずいて元気いっぱい大きな声で「コウボウムギ25!」というとみんな逆らわずに言う事を聞いた。

 研修だし、、。波うち際から観察地点までの距離と傾斜を測り、記入して1ポイント終わり。

 波うち際から遠くなるほど海岸植物以外のものがはいってくる。海岸植物がはえている地点まで調べて終わり。調査した砂浜の大きさを最後に測る。センセに言われて一番若い人が30mのメジャーを持って海岸を走る。砂浜の長さは30mよりうんと長いので、しるしを付けて何度も30mを走る。一番若くなくて良かった。本当におつかれさま。

 実際の調査はこれから。大変な調査だという事がわかった。こりゃオオゴトだ。

台風と研修会

16-7-2

 台風6号が近づいて、風が強い。時折雨が激しく降る、こんな天気でも誰も中止になると考えずに参加するからすごいと思う「自然ふれあいリーダー研修会」。実は昨年の研修会でも大雨・大雪(大分ではめずらしい)が降り、こんどの台風もやっぱりねという気持ちで車を出す。開催地は臼杵、的が浜、臼杵川河口砂州。

 午前中は干潟についての学習をする。干潟や砂浜、岩場といった身近な海がどんどん少なくなっている現実はいかんともしがたい。

 午後からは現場で実習を行う。横なぐりの雨の中、臼杵干潟に行く。現場についてしまえばそこはもう自分たちのフィールド。みんないそいそとカッパを着込んで海に入っていく。比較的狭い干潟なのだがたくさんの生き物たちに会えて感激。地元の指導員の方がリードしてくれて、砂地にいるウミサボテンやスナイソギンチャクを教えてもらう。ニンジンスナイソギンチャクを掘り出してくれてその姿(掘り出そうとするとすばやく逃げてしまう。そこをすかさず掘りあげるときゅっと縮んで人参そっくりの色と姿になる)に感心してしまった。

 みんなのバケツの中はナマコやウミウシ、烏賊や蛸、アナゴもいる。ニナやカメノテをお土産にとっている人もいた。臼杵干潟のおすすめのハクセンシオマネキには会えなかったけど観察会に参加というのは本当に楽しいなあ~とずぶぬれ、砂だらけになっても思った。最後に、一番長い海草の名前を。リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(竜宮の乙姫の元結のきりはずし)アマモの仲間の平たくて細長い海草です。

高尾山自然公園観察会

16-6-1

 幼稚園から中学生と幅広く混ざった子どもたちとの観察会。「ものがたり文化の会」というグループのメンバーでみんな顔見知りの仲良し同士。母親もたくさん参加してくれて、なんだか父兄参加の遠足のよう。ベテランの伊東夫妻が指導員でリードしてくれたので、私は子どもたちの様子を観察した。

 学校も違うし、学年もいろいろ、先生はいないし、お母さんもお弁当持って一緒に来てくれている。何だかのんびりして、ウキウキするようなお散歩のような遠足。子どもたちはぴょんぴょん跳ねるウサギみたいで、くっついたり離れたり。こんな時あんまり指導員の話なんか聞かないしね。スイバ(スカンポ)の茎をかじったり、ツバキの花の蜜を吸ったり、やたらと走って行ってみたり。草のしげみに入ったり、池の側まで降りていく子どもたちに、通りすがりの高校生が「蛇がでるぞ~。」とか「カッパがでるぞ~。」と声をかけて行く。先頭のグループに最後が合流してお昼にするのに30分もかかった。待っているあいだにかじったノビルはやたらと辛くて、それでもオミヤゲにたくさん取った。最後のグループは竹の子をたくさん抱えて到着。やっとお弁当。観察会は無事終了した。

 後日、会報を作るので何人かの子どもから感想文をもらった。あきら君の感想でツルのからまった痕のある木のことが書いてあった。ツルのすごい力に感心し、また木を枯らさないくらいに巻きついていく様子に感激したと書いてあった。ツルの話は私がしたらしいのだが忘れていた。あきら君はたくさん本を読む読書家であるとお母さんから聞いている。

 この話はあきら君の中でどんなふうにとらえられていくのだろうと思った。また、他の女の子は観察会の後、学校の帰りに芹を摘んできてくれたとあった。芹を摘んで大喜びしている大人たちを見て(私もたくさん摘みました)芹を覚えていたらしい。いったいどこで見つけたのだろうと母親はいぶかしがっていた。

 観察会当日だけの様子しか知らないことが多いのだけど、今回はその後の様子が覗けてやっぱり子どもたちはすごいな~と感激してしまった。ありがとう。

カエルの気持ち

16-5-12

 「あれはカエルじゃないの?」先日の下判田里山観察会で、川の中に黒いかたまり。近づいて網ですくってみたら、やっぱりカエル。コンクリートの道の上に置くとじっとしている。「死んでるのかな。」小学生の男の子がこわごわ触ってみる。ぐるっと目玉が動く。

 「生きてるよ。」手足を伸ばしたらゆうに20センチはありそうな大ガエル。生きていると分かったら、たちまち人だかり。「おおきいね~。」体のサイズとお腹の模様からどうやらこれはウシガエル。カエルを持った男の子をお父さんが記念撮影をする。

 「前足の指4本、後ろ足は5本。水かきもあるね。」一通り観察させてもらってから川に戻した。カエルはやれやれといった感じですいすいと泳いでいった。

 久しぶりに出会った大ガエルに感激してしまったのは、近年カエルが減ってきた事が危惧されているから。ウシガエルはアメリカから食用に輸入されたものが広がったのだけれど、近頃は日本に昔からいるトノサマガエルを見かけない。日本固有種のイシカワガエルやオットンガエルはすでにレッドデータブックにいれられている。一番の原因は人間によるカエルを取り巻く環境の変化だろう。カエルは両生類。水辺と陸地と両方なければ生きて行けない。また皮膚が露出しているので化学物質等による環境汚染の影響をもろに受けてしまう。カエルが減ってきたのは、人間も住んでいる日本の環境が悪化し続けている表れだと言ってしまえばそのとおりで今のところ私にはなすすべもない。ホタルのように無理やり育ててあちこちに放すのもどうかと思う。(というよりやめて欲しい。)

 この問題は自然保護のなかでも一番の問題。環境省も「新・生物多様性国家戦略」という答申を出しているのだけど、いつからどう具体的に始めるのか分からない。

 自分にできる事を(微々たることだけど)もう少し続けるしかないのかなといつも思う。

 ふるいけや かわず飛び込む 水の音  いい句だな~。

育成クラブでの観察会

16-4-23

 グリーンインストラクターの講座で知り合った賎川さんは育成クラブの指導員。頼まれて、育成クラブでの観察会。

 約束の時間の20分前に小学校に着くと、小学生はもうスタンバッている。「なになに?」

 「だれ、この人?」「川に行くんでしょ?」一年生から三年生がまざった26人は鼻の穴を膨らまして話しかけてくる。春休みが始まったばかり、おまけにぽかぽかのいい天気。賑やかに市ノ瀬川に出発。「川に入ってはいけません。敷戸小学校PTA」の看板を尻目にずんずん川原に下りていく。いいぞいいぞ、今日は大人がついている。大半の子が始めて川に入る。

 大人なら飛び越せそうな幅の小川だけれど、魚の姿がたくさん見える。魚が見えたら指導員は何もすることがない。魚取りに夢中の子どもたち。しばらくは子どもたちの安全確保をしているだけ。魚の数が多いのでやたらと網を振り回すだけで小さい魚は捕まる。けれども捕まえたいのはあのゆうに10cmはありそうな大きいやつ。みんなで川をかき回したので、魚の姿は見えなくなったしまった。ここからが指導員の出番。でも簡単には教えない。ちょっとやって見せる。飲み込みのいい子はすぐ分かる。三年生の男の子はすばやい。たちまち、たくさんすくって、女の子や下級生にあげたりしている。子どもたちの着ている服がどんどん濡れていく。ズボンがひざまで濡れたらズボンを脱いでパンツ一丁になる子が続出。道のガードレールに靴下やズボンをかけて干す。びしょびしょの靴も並べて干す。

 「魚を追い込む役と、捕まえる役と組んですれば、、。」ぼそっとつぶやいたら、たちまち育成クラブの指導員が聞きつけて子どもたちに指示をだしている。(あんたはガキ大将か!)と突っ込みたくなったけど、あのキラキラした眼をみたら何も言えない。こんなに遊んでばかりの観察会もありか?そこはベテランの指導員の荒金さんが、捕まえた魚(ムツやウグイ)やカワエビを持って帰りたいという子どもたちに話をする。川や生き物について考えた子どもたちは魚を川に返すことにした。家で魚を飼っているという子がその水槽で飼うのだと連れて帰ることになった。それはそれでいいことだと思う。

 濡れて重たくなったズボンや靴下をおみやげとしてようようと帰った。

フォローアップ研修

16-4-1

先輩指導員

先輩指導員が見つけた野鳥の巣

先輩指導員が見つけた野鳥の巣

 自然観察会を開催している指導員のフォローアップ研修会の最終日。実際の観察会に参加したあと、グループに分かれて模擬観察会を行う。

 うららかな日曜日、講師の嶺さんの観察会に参加。ベテランの嶺さんの観察会は住宅街の中の公園で行われているので、参加者も多く、子どもから年配者と年齢層も幅がある。

 土筆やセリ、オオイタサンショウウオの卵、ネコヤナギのふわふわの蕾、ノビルたくさんの「春見つけ」を子どもたちと楽しんだ。

 午後からは研修のスタート。雲行きも怪しくなって寒さが戻ってきた。いやな予感。

 会社員のおじさん相手の観察会、若いお母さんたち対象、小学校4年生対象と3つのグループに分かれた。それぞれが指導員と参加者の役を担当。私は小学生相手のグループ。テーマは「自然保護をどう伝えるか」。なかなか難しい。小学生役のおじさんのつっこみをかわしながら、どうしたらいいのか詰まってしまった。動植物の名前を教えるのは簡単だ。(いや、何でも知って答えられると言うわけではないけど)自然の仕組みやつながりを話すのもなんとかやってきた。なんとなく自然を大好きになってもらったら大人になって、自然保護の大切さを分かってくれるだろうと思っていた。(それでは伝わらないぞ)講師のコメントが入る。「落ち葉の下をはぐったら、元どおりにすることを伝える」・・草も木も使うときは必要な分だけ、葉っぱは古いほうから枝を傷つけないように上手に折る。・・観察会に始めて行ったとき、大先輩の指導員の先生から教えていただいたことを思い出した。自然の中で遊ばせてもらってるけれど、その自然を本当に大事で大切なものと言う気持ちをしっかり持っていれば、行動に現れる。最近の観察会での自分自身のやり方を深く反省した。また原点に気づくことができて、本当によかったと思った。まだまだ未熟なひょっこだな~。