本の読み方

 どんなかっこうで本を読んでますか?テレビの時代劇などを見ていると、書見台に本を置き、正座をし、背筋をすっと伸ばして読書をしているシーンがある。これは謹厳実直な主人公や、そのような人物像を描く場合。逆にだらしないことを強調したい場合には、黄表紙本などを寝っ転がって読むシーンが多い。私はというと、いろんな格好で本を読む。机に向かって読む、ソファーに座って読み、寝っ転がって読み、車の中で読み、バスの中で立ちながら読み、地べたに座り込んで読んでいる。さまざまな場所で、自分の読みたい格好で読んでいる。本を読むっていうのは、自分が読みたいから読むのだから、読みやすい格好で読んでいいのだと思う。しかし、家族以外にはあまり見せられない姿だなと思うときもある。
 でも、まあいっか。

 いちばん気楽でいいのが、夜寝るとき。仰向けになって、一定の姿勢というのはなく、ごろごろしながら、眠気がやってくるまで読む。時にはあまりの面白さに、寝るのがもったいなく感じるときもある。しかし気をつけないと、読んだ内容が夢に出てくることがある。自分が主人公の代わりとなって追いかけられたり、事故にあったり、襲われたりする。たまには、崖から落ちたりもする。そうなるのは嫌だけど、でもやめられない。

 今年とてつもなく良い環境で読んだのは、出張で行った与那国での読書。編集会議も昼間で終わり、あとは、翌日の朝の便で那覇へ帰るだけという日。青い空と白い雲が広がる久部良小学校の校庭で、ビールを飲みながら読んだ冒険小説とノンフィクション作品。目の前では子どもたちが校庭を駆け回り、吹く風も爽やかでとても気持ちの良い時間だった。このときも、校庭の芝生の上に座ったり、寝ころんだりしながら読んだ。

 伊平屋で、昼間から夕方へかけて、空の色が刻々と変化していく風景を見ながら、読んだときも至福の刻だった。そういえば、このときも、芝生の上で寝ころびながら読んでいた。

 寝ころんで読むのが、僕には合った読書の格好なのかもしれない。

 酒を飲みながら読むことも多い(与那国でも伊平屋でもビールを飲みながら読んでいたんだけどね)。家で飲むときには、最初はきちんとテーブルに向かって飲んでいるのだが、酔いが回ってくると、段々とだらしなくなっていき、横になり、あとは訳がわからなくなって、いつの間にか寝てしまう。

 結局、どんなに難しい本でも、やわらかい本でも、読みたい格好で読むのが一番なのだ。

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